言ってもらえずに【最低男の結末】 後編
オリジナル曲「言ってもらえずに」
オリジナルソングの音源を新たに制作しました。
その名も「言ってもらえずに」。
noteにてこのお話の【前編】を書いていますので、気になる方は読んでみてください。
もし、noteから飛んできてくださった方は、続きをお楽しみください。
とある知り合いの話。。。
ある日メールで
スニーカーを買うという名目で、デートした二人。
深夜に彼女の部屋で会話していたのが、なんだか夢だったような感覚。
ゲーセンで遊んでいたとき、遊びで作った名刺をもらっていました。
遊びとはいえ、TEL&メールアドレスがちゃんと書かれてる。
正直言って、彼も少し期待していたが、「まさかあり得ない」というのが理性となっていた。
名刺を見ながら、まるで東京ラブストーリーのワンシーンのように、携帯でメールをした。
大した用事があるわけじゃない。
そのあと、直接電話したという。
彼「この間もらった名刺が、たまたま出てきたから」
取ってつけたような理由を知ってか知らずか、彼女が言う。
彼女「確かプレステ持ってたよね?ゲームしたい!」
彼「え、じゃあまた遊びに行っていいですか?」
夜だった。
教えてもらったバスに乗り、最寄りの停留所で降りた。
パジャマに上着を羽織り、傘をさして立っていた彼女。
それが本当のはじまりだったという。
彼女の部屋に来たのは2度目のこの日。
またしても深夜3時をすぎ、帰ろうとしたとき。
来てもらってそれは申し訳ないから、泊まっていきなよという話に。
じゃあ、こっちの部屋で雑魚寝させてもらいますねって話してると、
「こっちで寝ようよ。。。」
事実上、その日からお付き合いが始まった。
しだいに彼女の部屋に入り浸るようになり、半同棲状態。
いわゆる社内恋愛みたいなもので、アルバイト先の仲間には内緒にしながらの関係だった。
でも不思議と、どんなに秘密にしていても。
いつしか「あの二人、付き合って…」という噂が立ちはじめて。
中には直接「デキてんの?」と聞いてくる、ちょっと無神経な先輩もいたようで 笑。
(付き合ってることを「デキてる」って今時いうのかな? w)
月9ドラマでいうところの、関係がうまくいってる一番いい時期をしばらく過ごしていました。
彼はこんな事を軽々しく言ったことも。
「結婚してもいいと思ってるよ〜」
その時の彼女の冷静さが印象的だった。
「結婚となるとそんな簡単な話じゃないからね」
崩れた信頼
一番大事なというか、「言ってもらえずに」という曲の核につながる出来事があったんですが、詳細は控えさせていただきます。
(知り合いの話、ですけどね…)
笑えない話なので。
この出来事から、当然とはいえ二人の関係は崩れてしまいました。
明らかに冷たくなった彼女の対応。
それを問い詰める彼。
会うたびにケンカ(というより、彼がゴチャゴチャ言ってる)になって。
ある日彼女が言った。
「ちょっと距離を置きたいんだ。。。」
その頃、お店も吸収合併されて事実上の店舗閉店となったり、働く場所の問題としてもお互いバタバタしていた。
しぶしぶ、「わかった」というしかなかった彼だったが、内心気づいていた。
「これは別れのフラグだな…」
彼は別れたくなかった。
そんなこと言える立場じゃないのは、頭ではわかっていても、どうにか関係を修復したかった。
このまま距離を置いたら、確実に関係が消滅してしまう。。。
そう思った彼は、1週間を待たずに「会いたい」と連絡をした。
無言…
明らかに「(コイツ、ないわぁ〜💧)」という、彼女の放つオーラ。
しかし彼は、必死だった。
なんとか話をして、もう一度あの頃みたいに、仲良く一緒にいたかった。
駅前のコーヒーショップに入り、話をするも、
彼女はずっと黙ったまま。。。
彼がずぅ〜っと話して、「なんか喋ってよ💧」と言っても、
彼女はずっと、うつむいて黙っていた。
コーヒーショップが閉店時間になり、マスターに「あの〜、申し訳ない、閉店の時間なんです…」と言われ。
無理矢理会ってもらったので、あとは帰るしかない。
収入上の理由で実家に帰っていた彼女を送る道中、話し続ける彼。
どうにか、もう一度やり直せないか?
悪かったのはわかってる、それでもやり直したい。。。
思えば、相当うっとおしい男だったと思う。
終始、無言の彼女。。。
まるで無視され続けるナンパのように、話し続ける彼と黙って歩く彼女。
彼女の家の前。
もう彼も話す言葉が尽きていた。
「やっぱり、これで最後なの?」
そして小さく頷いた彼女。
玄関を開けて、
「じゃあ、おやすみ」
それが彼女の別れの言葉でした。
「え…それだけ…」
駅に向かって歩き出すと、ポツポツと雨が降りはじめて、しだいに強くなった。
傘をさしてうつむきながら歩く彼。
初めてだった。
声を出して泣いたのは。
内臓がこねくり回されてるような、別れの悲しみに打ちひしがれながら歩く。
すれ違う人にはバレないように、傘で顔を隠しながら。
ある意味、残酷なほど優しい彼女だった。
罵声を浴びせられても文句が言えないような彼のことを、決して悪く言わなかった。
本当は深く傷つき、怒りを持っていたはず。
でも、そんな感情を彼には見せず。
それが無言というせめてもの怒りだったのかもしれない。
思い出の笑顔の頃よりは少し冷たいけれど、少しだけ笑いながら「おやすみ」と言った彼女。
それしか言ってもらえないほどの、最低な男の末路。
彼は、その時思ったと言う。
「自分には恋愛なんて向いてないかもしれない」
…という知り合いの話でした 笑。
悲しいねぇ。切ないねぇ。。。
マジでさぁ、恋愛っていうやつもかなりの体力が入りますよね。
精神的にも肉体的にも。
美輪明宏さんが言ってたっけ。
心身ともに体力に自信がない方は、されない方が身のためですよ オホホホ。
僕はこの体力ないな、きっと 笑。
そんなわけで、オリジナル曲「言ってもらえずに」。
ぜひぜひ聴いてください!
Audiostockにも申請しています。
みなさんは良い恋を!!